アキレス腱の痛みと聞いて最初に思い浮かべるのは”アキレス腱断裂”ではないでしょうか?一番有名ではありますが、頻度としては高くありません。
アキレス腱の断裂は瞬間的に腱にストレスがかかった際に発症します。強い痛みと共に、内出血や腫れアキレス腱の凹みなどが生じます。断裂があれば、アキレス腱と繋がるふくらはぎの筋肉が使えなくなる為、つま先立ちが出来なくなります。うつ伏せで膝を90度に曲げ、ふくらはぎを大きくつまんだ時に足首が動くかどうかを確かめます。動かなければ断裂している可能性が高いでしょう。その場合は整形外科を受診し精密検査を受ける必要があります。手術による縫合が第一選択になります。
多いのはアキレス腱炎です。これは炎症を起こしている場所によって病名も異なりますが、大まかにはアキレス腱部の痛みとして捉えられます。アキレス腱の踵の付着部の強い痛みの場合は剝離骨折や通風、骨端症などの可能性もある為一度病院での診察をお勧めします。通常のアキレス腱炎は歩行時や屈伸時の痛みが特徴で、安静時には痛みません。湿布や運動制限が普通の対処になります。
では、原因は何でしょうか?
事故や直接的な外傷でない限り患部に原因はありません。一般的には筋肉の柔軟性の低下や、疲労、身体の使い方の悪さなどがあります。治療もそれに則したテーピング、ストレッチ、マッサージ、運動療法、電気治療などです。
しかし、普段から身体を動かしている方は、なぜ今回だけ痛くなったのかを考えなければいけません。筋肉の状態や柔軟性は直接的な原因ではなく”誘因”であるということです。筋肉には過緊張と減弱という要素があります。分かりやすく言うと、握りこぶしを作った状態と指の力を抜いた状態です。運動中はこれを繰り返しますので、どちらかに偏った状態では正常に活動が出来ませんし、筋肉を単に柔らかくすればいいというものでもありません。筋肉の働きを調整しているのが神経です。よって、神経の働きを正常にコントロール出来なければ、いくら筋力をつけたり柔軟性をつけても効果は期待できません。神経の働きの調整はアクティベータメソッドで可能です。
過度の疲労や睡眠不足、暴飲暴食などは神経の働きに異常をきたします。身体の使い方の悪さや筋肉の状態ばかり気にするのでは無く、日常生活を見直すことが最も大切なのです。