横隔膜は肋骨の下部にあり、お腹と胸郭を隔てています。大動脈や大静脈や食道がそれを貫いています。
横隔膜の主な働きは、呼吸をする際の主導です。息を吸い込む際に下に下がり、吐く際に上がります。これらの働きが正常に行われていれば問題有りませんが、交感神経が緊張し呼吸が浅くなっていたり、前かがみで長時間のデスクワークなどでは横隔膜の機能障害が起こり可動性が減少します。
横隔膜の可動性が減少すると、呼吸の補助をする筋肉である首や肩周りの筋肉が必要以上に頑張らなければならなくなります。その結果、首肩周りの筋肉が疲労を起こしコリが発生してしまいます。さらに、お腹の筋肉が固くなれば姿勢の悪さ(猫背)にもつながります。
もう一つの症状に腰痛が挙げられます。大腰筋という腰と大腿骨(太ももの骨)を繋いでいる筋肉(しばしば腰痛の原因になる)があり、その筋肉の上部の付け根と横隔膜が膜を通じて連結しているのです。よって、横隔膜の可動性が減少することで大腰筋の働きも低下し腰痛の原因になります。逆に、大腰筋の働きの低下から横隔膜の可動性が影響を受け肩こりを引き起こしている複雑なパターンも見られます。
一度、ベットに仰向けで寝て膝を立てた状態を作ってください。そして、肋骨の一番下とお腹の境目を蝕知してください。そしてゆっくりと手の指を肋骨の裏に滑り込ます様にしてみます。もし指がほとんど裏に入っていかなければ横隔膜の可動性が減少している可能性があります。
大腰筋の検査は仰向けでのば両足を伸ばした状態から、片方の膝を抱え胸に近づけてみましょう。曲げたほうと逆の伸ばしている足(膝)が浮いてきたら大腰筋の拘縮があります。必ず検査では両方の足を比較して下さい。
横隔膜や大腰筋の問題は筋肉への直接的なアプローチだけでも一定の効果はありますが、根本的にはそれらをコントロールしている”神経の働き”を調整する必要があります。神経の働きの調整はアクティベータメソッドで可能です。それでも改善が芳しくない場合は筋肉に直接刺激をします。
肩こりや腰痛をお持ちの方で、以上の検査で問題が出た場合は早めに施術を受けて下さい。肩や腰だけのアプローチでは改善しない可能性が高いでしょう。