恥骨痛と聞いて産後の方や女性特有の症状であると思う方が大半でしょう。しかし、実際は日常やスポーツ活動の中では性別に関係なく結構な頻度で恥骨痛は現れます。
恥骨とは、骨盤の前部分を形成している骨であり、恥骨結合によって左右が癒合しています。下腹部を触り下に降りていき最初に当る硬い部分が恥骨です。恥骨には腹部の筋肉(腹直筋・腹横筋など)や足の筋肉(内転筋群)などが付着しており上半身と下半身の筋肉の交差点の様な場所になります。
女性に限っては、生理周期に合わせリラキシンというホルモンが分泌され恥骨結合自体が不安定になります。出産時に多く分泌されることで有名ですが、妊娠に関係なく少量は分泌されています。
<痛みが出るタイミング>
・産前産後(リラキシン、肉体的な疲労)※女性
・生理に合わせ(リラキシンの影響)※女性
・冷え(自律神経の影響)
・急なスポーツ活動(筋肉活動の準備不足)
・暴飲暴食(胃腸の機能低下による内臓下垂)
・長時間の同一姿勢
・事故や怪我(骨折の場合もあり、病院での診察が必須)
<自分で心がけること>
・暴飲暴食をしない(自律神経を整える)
・睡眠をしっかりとる(自律神経を整える)
・寝る前のゆっくりしたストレッチ体操(柔軟性・リラックス効果)
・30分に一度は姿勢を変える(筋疲労・筋緊張の緩和)
・段階を踏んだ運動強度
・入浴(半身浴でもいい)
<当院で行う治療>
・全身の神経機能異常の検査&治療(自己治癒力の改善)
・脳(視床下部)の血流改善をし自律神経・内分泌機能の改善
・運動指導
安易に、骨盤ベルトやコルセットの着用や、無理なストレッチ、骨盤矯正などはかえって難治化してしまう恐れもあります。歩くのも辛い場合は整形外科を受診し、鎮痛剤を処方してもらい、ある程度痛みをコントロールしながら原因となっているものを取り除く方法を取るのがいいでしょう。