運動選手に貧血が多いのはご存知でしょうか?
今回は、運動選手に多発するスポーツ貧血についてです。
気温が上がってくるこの時期から、活動時の体温調節の為に汗をかくようになります。夏ならなおさらです。近年、一般常識の向上によってスポーツ時の水分補給や塩分補給は当たり前になっています。私の学生時代から考えると天と地の差です。
しかし、水分・塩分・ミネラルなどの補給とともにもう一つ考えなければいけないのは”鉄分”の摂取です。実は大量の汗をかくと鉄分も一緒に出て行ってしまうのです。急激に減少する訳ではありませんが、ハードにトレーニングを行っている場合は注意が必要です。さらに、たくさんジャンプをする競技(バレーボール・バスケットボールなど)やコンタクトが多い競技(ラグビー・剣道・サッカーなど)は接地する足裏や身体にある赤血球を潰し(破壊する)てしまいます(溶血性貧血)。
<貧血の症状>
・疲れやすい
・食欲が無い
・息切れ
・だるい
・頭痛
・動悸
・まぶたの裏が白い
・集中力が無い
など……
この様な症状は貧血だけで起こる訳ではなく、熱中症などでもみられます。症状が重い場合は病院を受診し血液検査などを受け治療(鉄剤の服用)が必要になります。
<セルフケア>
・鉄のサプリメント摂取
・肉・魚など鉄分を多く含む食品を積極的に食べる
・鉄の吸収を促す為にビタミンCを積極的にとる
鉄分は筋肉や骨の成長や、運動のパフォーマンス向上には欠かせないものです。特に幼少期から専門的にスポーツ活動に励んでいるお子様がおられる家庭や、月経をむかえた小学校高学年~中学生の女子選手(月経による失血と重なります)は適切な対処をお勧めします。単純に疲労が溜まっているだけと片付けず、様子がおかしければ出来るだけ早期に病院を受診しましょう。