DNIC(広汎性侵害抑制調節)とは?
今ある痛みを、新たな痛みを与えることで軽減させる。
簡単に言えばこれです。
強いマッサージや指圧などを受けた後に楽に感じるのはこのメカニズムが関係しています。
今回はこの現象についてメリット・デメリットを説明します。
<メリット>
・痛みに対して即効性がある
・一時的に可動域が増える
・短時間で施術が終わる
<デメリット>
・毛細血管、筋膜、筋肉などの組織が微小損傷を起こす
・関連脊柱神経に感作が起こり、持続的な筋緊張が生まれる
・痛みの原因を追究しなくなる
・痛みに対して脳が過敏になる
私の考えでは、どうしても試合前で痛みを抑えたい、消炎鎮痛剤を服用できない、などの場合を除いて選択することは避けた
方がいいと思います。特に、慢性症状の方は筋肉や筋膜など組織自体に問題がある場合は少なく、コントロールしている神
経・脳に誤作動が起こっている場合がほとんどです。脳が痛みを記憶し継続的な筋緊張を作っているので、そこに対してのア
プローチが無ければ、一時的な解放感(入浴と同じ)を得るにとどまるでしょう。
いずれにせよ、患者さん自身もこの様な知識を前提に施術の選択を考えてみてください。