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SIRVA(ワクチン接種後肩障害)

SIRVA”シルバ”とは、Shoulder Injury Related to Vaccine Administrationの略で、ワクチン接種に関連した肩関節障害のことをいいます。

 

新型コロナウイルスの流行後、新しく開発されたワクチン接種推奨が広まりました。様々な解釈があり、接種の判断は任意ではありましたが、多くの国民が複数回の摂取をされたと思います。

 

そな中で大部分の方が接種後の肩の痛みを経験されたのではないでしょうか?

 

通常であれば2~3日で患部の腫れや動作痛はなくなりますが、例外的に2週間以上も痛みや動作痛が改善しない場合があり、そのことを”SIRVA”と呼び注意喚起されています。

 

これはどの様な状態になっているかと言うと、注射を打つ際、本来は避けて打つべきである肩の筋肉の下にあり、クッションの役割をしている”滑液包”という袋に誤って薬が入ってしまい炎症が起きている状態です。

 

そして、炎症が長引くことで患部に未成熟な新生血管(モヤモヤ血管)が出来てしまいます。この余分なモヤモヤ血管は同時に痛みを感じ取る神経まで増やしてしまい、症状を難治化させているのです・。

 

症状が五十肩に似ているため混同しがちですが、厳密には異なります。

 

最初の患部(接種部位周辺)が一次的な痛みであれば、肩の上部や肩甲間部などの痛みは二次的なものであり、治療は一次的な場所のモヤモヤ血管を減らすことが最優先に行われるべきであると考えます。

 

当院に来られる患者さんの大部分は、整形外科や整骨院などで五十肩に則した治療を受けて来られています。

 

治療の方向性として間違っている訳ではありませんが、やはり先ほど述べたように一次的患部のアプローチが抜け落ちてしまっていては、患者さんにとって時間、お金、精神的にも大きな負担になってしまうのは明らかだと思います。

 

結論を申しますと、モヤモヤ血管を減らすアプローチ(一次的)+肩関節周囲の可動域バランス回復(二次的)の両方が必要だと言うことです。

 

治療には多少の痛みや、費用の負担、通院時間の確保が必要にはなりますが、慢性の方も諦めずにトライして下さい。